【レポート】沖縄の国際的な現場を訪ねるツアー@2014国際・児童青少年演劇フェスティバルおきなわ

2014年8月、ON-PAMでは「2014国際・児童青少年演劇フェスティバルおきなわ」にてシンポジウムを開催しました。それに伴い、国際交流委員会では、8月1日、2日の二日間、「沖縄の国際的な現場を訪ねるツアー」として、各日1作品を鑑賞した後、演出家や出演者のみなさんにお話を伺いました。

一日目の作品は、日本、シンガポール、香港のアーティストが共同して制作した作品『どうして?どうして?』です。幼児から楽しむことができるノンバーバルの作品(言葉以外の方法で意味を伝える作品)であり、ダンスや幻想的な美術も印象的でしたが、終演後に伺ったお話からは、むしろ言葉を非常に大切にしているのだということが感じられました。
この作品は、沖縄で上演される前に、シンガポールでプレミアを迎えています。シンガポールでは子ども向けの作品に対し、両親から「何を学べるか?」ということが強く求められるため、テキストが重視されるのだそうです。演出のブライアンさんは、「言語が一番の挑戦だった」と語っています。沖縄で上演するにあたっては、一部のセリフが俳優によって日本語に翻訳されています。英語の言葉の中に日本語が出てくると、観ていた子どもたちは笑ったり、呼びかけに強く応じたりしていました。シンガポールの俳優のイザベラさんが、「国によって子どもたちの文化も違うので、それぞれに合うように変えて行くことが楽しい。親御さんから、『いろいろなことが学べてよかった』と言ってもらえることも嬉しい」と語っていたことが、とても印象に残っています。

二日目は、ベルギーの4hoogというカンパニーの作品『くわぱぷー』です。こちらも幼児からを対象としたノンバーバル作品ですが、『どうして?どうして?』とは大きく違った雰囲気の作品で、身体の動きや舞台上の仕掛けが肝になっています。4hoogは、17年前から3〜12歳を対象としたパフォーマンスを行っているカンパニーです。この『くわぱぷー』は、オーストリアのアーティストであるエルヴィン・ヴルムの作品に着想を得て4年前に作られました。キャストの一人が初演時から変わっています。

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私たちが鑑賞した回では、前列にいた子どもたちが大喜びで声をあげており、私たちもびっくりしたほどでした。アジアでの上演は初めてだったそうですが、「(自分たちの作品は)世界の共通言語だと思っているが、(日本の)子どもたちの作品を理解するレベルが非常に高い」と感じたようです。
話の流れで、「西洋から来た作品に対しての子どもたちの反応は、日本の作品を観るときとは違うのか?」という質問を受けたのですが、私たちのうちの何人かが、「今回はバックグラウンドを必要としない作品だったので、単純に楽しんで観られることはどこの子どもたちにとっても同じだと思う。それとは別に、大人でもそうだが、東京に比べて沖縄の子たちは少し元気かもしれない」と返答していました。
今回は「国際的な現場を訪ねる」という会でしたので、「異文化」というと「外国同士」というイメージを抱いていましたが、このやりとりを聞いて、国内であっても文化が違うことはあって、反応もそれぞれ違うのだということに改めて気がつきました。

ツアーに参加し、お話を伺えたことによって、様々な文化的背景を持つ人と作品を作ること、また、違う文化的背景を持つ人に向けて作品を上演することがどのように意識されているのか、ということに触れることができました。
国や地域ごとに特有の事情があったり、逆に言語を超えて純粋に楽しめるものがあったりするということは、ごく基本的なことではありますが、狭いコミュニティの中では忘れがちなのことでもあり、直に触れる貴重な経験になったと思います。

文責:斉木香苗(Next(有限会社ネビュラエクストラサポート)/国際交流委員会)

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