【レポート】APPキャンプ in 香港・マカオ・広州 レポート [2日目]

2019年11月18日

9時からアーツ・マネージメント教育がご専門で香港芸術祭協会のエグゼクティブ・ディレクターも務めたTseng Sun Man香港教育大学准教授による「香港・マカオ・中国における文化環境」についてのレクチャー。マカオの受け入れメンバー、エリックさんをはじめ、この地域の重要な制作者の多くがTsengさんの教えを受けてきた。

中国本土では文化においてもここ20年ほどで市場経済の導入が進んできたのに対し、香港・マカオでは助成金や公共施設に支えられている部分が高く、商業的な舞台芸術文化がほとんどないという。

新メンバー自己紹介のあと、近年の香港の文化政策の目玉である西九龍文化区【リンク:https://www.westkowloon.hk/en】へ。九龍地区のはずれにある広大な土地に、さまざまな文化施設が建設されることになっている。現代美術館M+は2020年に開館予定【リンク:https://arthours.jp/article/hong-kong-m-contemporary-art-museum/】で、舞台芸術部門もこれから充実していくよう。

西九龍文化区の舞台芸術部門では演劇部門芸術監督のロー・キーホン、演劇部門のボボ・リー、ダンス部門のアナ・チャン、アナ・チェンと、APPメンバーが多く働いている。この6月にオープンしたばかりの可変式ブラックボックス型劇場「自由空間(Free Space)【リンク:https://www.westkowloon.hk/en/freespace】」へ。客席は400席くらいで、全てフラットで立ち見にすれば900人は入るという。ようやく演劇・ダンス部門のための自前の劇場がオープンしたのだが、6月はちょうど抗議運動が盛んになった時期で、宣伝がしにくく、交通の問題もあり、なかなか客足が伸びなかったという。今月は香港市内の多くの劇場が活動を休止しており、西九龍文化区の劇場は上演を続けているものの、激戦地となった香港理工科大学がから遠くないこともあり、集客は厳しい状況。

香港を代表するコンテンポラリーダンスカンパニーCCDC(City Contempory Dance Company/城市當代舞蹈團)についてレクチャー。今この劇場などを使って、コンテンポラリーダンスのフェスティバルCCDF(City Contempory Dance Festival/城市當代舞蹈節【リンク:https://ccdfestival.hk/en/】)を開催している。このフェスティバルでCCDCに振付作品を提供している台湾の振付家CHOU Shu-yiもAPPメンバー。その後、CCDFに世界各地から集まっているプロデューサーたちとランチ、CCDCショーケース。

西九龍文化区舞台芸術部門の今年オープンしたもう一つの劇場「戯曲中心(Xiqu Centre)【リンク:https://www.westkowloon.hk/en/xiqu-centre】」を訪問。「戯曲」とは中国語圏の伝統演劇のこと。ここでは主に広東語の「粤劇(えつげき、Cantonese Opera)」が上演されている。香港の劇場の多くが営業を休止している中、この2劇場は営業をつづけていて、とりわけここには観光客も多く来ているという。

つづいて「クリエイティブ・アントルプルナーシップ Creative entrepreneurship」についてのディスカッション。創造的な事業形態の事例を共有。ヒエラルキーのない水平な協働組織や国際的コラボレーションの事例が目立った。APPキャンプから生まれたコラボレーションも。

初日から、かなり濃密な一日。

(横山義志)

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