ON-PAM 2015年度・第1回企画委員会
「これからの公共劇場で、私たちは本当のところ何を作りたいのか?」
※会員限定企画
※4/27(月)のシンポジウムは会員以外もご参加頂けます
委員会室の齋藤です。4月6日の第1回テーマ委員会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。充実した議論の続きは、この後各地で予定されているサテライト委員会、そして6月に関西で行われる第2回のテーマ委員会へと引き継がれていきます。さて、今月26日(日)と27日(月)には、今年度最初の企画委員会が静岡県舞台芸術センター(SPAC)を会場に開かれます。今回は、「劇場」「創作」「公共性」をキーワードに、24日(金)から始まる「ふじのくに⇄せかい演劇祭2015」上演演目の観劇、施設見学、シンポジウム、ディスカッションと盛りだくさんの内容になっています。皆さんの参加をお待ちしています。
ON-PAM 2015年度第1回企画委員会
開催日:4月26日(日)・27日(月)
会場:静岡県舞台芸術センター(SPAC)内
内容・スケジュール:4/26(日)
「ふじのくに⇄せかい演劇祭2015」上演作品観劇
※無料チャーターバス 東静岡駅南口12:30発~舞台芸術公園13:00着
(1)14:00~16:15 鳥の劇場 『天使バビロンに来たる』@舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
※ON-PAM会員の参加者は、一般料金4,100円のところ、団体割引料金として3,000円で手配いたします。ただし残席僅少のため、先着10名様まで。
(2)18:00~21:00 SPAC『メフィストと呼ばれた男』@静岡芸術劇場
※ON-PAM会員の参加者は、一般料金4,100円のところ、団体割引料金として3,000円で手配いたします。
(3)21:30~23:00 懇親会
※レストラン「オアシス」(静岡芸術劇場隣)、会費3,500円
4/27(月)
路線バスor自家用車移動 ※舞台芸術公園は駐車場あり・無料
しずてつジャストライン 日本平動物園美術館線
8:19静岡駅前(北口11番乗場)→8:32東静岡駅南口(南口2番乗場)→8:48舞台芸術公園着
(静岡駅~舞台芸術公園:370円、東静岡駅~舞台芸術公園:260円)
8:55 舞台芸術公園入口右手 食堂棟「カチカチ山」集合
(4)09:00~10:45 SPAC施設見学&SPACの活動紹介「SPACとは」
案内&説明:成島洋子(ON-PAM理事、SPAC芸術局長)
舞台芸術公園にある劇場や稽古場、宿舎などの施設をご案内しながら、劇場と劇団の一体運営・施設の専有使用・芸術総監督制など、SPAC独自の仕組みの成り立ちと意義をご説明いたします。
(5)11:00~13:00 シンポジウム@舞台芸術公園・楕円堂
「これからの公共劇場で、私たちは本当のところ何を作りたいのか?」
※無料、ON-PAM会員以外の参加あり
登壇者:宮城聰(SPAC芸術総監督)、中島諒人(鳥の劇場芸術監督)、ダニエル・ジャンヌトー(仏ステュディオ・テアトル・ド・ヴィトリー芸術監督、フランス)
司会:横山義志(SPAC文芸部)
通訳:平野暁人
公共劇場を運営しながら、そこを拠点として作品を作っている三人の演出家をお招きして、本委員会のテーマについて語っていただきます。
宮城聰さんからは、私立劇団での創作と公共劇場での創作の違いや、『メフィストと呼ばれた男』を上演するに至った経緯などをうかがいます。中島諒人さんには、東京での劇団活動から、地方で創作の拠点となるような劇場を自ら作るに至った経緯や、現在抱えている課題についておうかがいします。ダニエル・ジャンヌトーさんには、フランスの公共劇場における創作の仕組みが、ご自身の創作活動をどう支えてきたかについて、話を伺いたいと思います。
13:15~14:15 昼食休憩 ※昼食手配希望者は申込みフォームに入力が必要です。 竹酔「駿河御膳」 1,080円
(6)14:30~15:00 SPAC俳優によるトレーニングを見学@稽古場1
(7)15:30~18:30 ディスカッション「集団で対話する方法」を用いた話し合い
ファシリテーター:平松隆之(劇団うりんこ/うりんこ劇場)、白川陽一(Keramago Works(ケラマーゴ・ワークス))
シンポジウムで出た話題を引き継ぎながら、参加者それぞれの関心を出発点として、いくつかのグループに別れて話し合いを行います。最終的には、そこで得られた結論を全体で共有し、それぞれに目的を見定めつつ、日々の行動へと反映させることを目標とします。
19:00 ※参加者が一定数以上の場合には、静岡駅/東静岡駅と会場間の送迎バスを運行する予定です(片道500円)
19:00 『盲点たち』観劇の方はBOXシアター前に集合
※舞台芸術公園→静岡駅の路線バス
14:36→15:03
16:20→16:48(最終)
参加申込み:フォームよりお申込みください。
※ON-PAM委員会参加者の上記2作品の観劇申込みは、シンポジウムとディスカッションのいずれかに参加される方のみ可能です。
いずれにも参加されない場合は劇場サイトからお申し込み下さい。
アクセス情報:SPAC公式サイトをご参照ください
静岡芸術劇場…JR東静岡駅南口から徒歩約5分、グランシップの東側(清水寄り)に入口があります。
◎最寄り駅のJR東静岡駅は、JR静岡駅より東海道本線(沼津・熱海方面、上り)で約3分です。
※1時間に5〜6本、10〜15分間隔で運行しています。
舞台芸術公園・・・野外劇場「有度」・屋内ホール「楕円堂」・稽古場棟「BOXシアター」
しずてつジャストライン静岡日本平線 降車停留所:舞台芸術公園
・JR静岡駅 (北口11番乗場)〜舞台芸術公園は、約23分(大人370円)
・JR東静岡駅(南口2番乗場) 〜舞台芸術公園は、約12分(大人260円)
当日連絡先:
横山義志(静岡県舞台芸術センター文芸部/ON-PAM理事) ※会員向けメールに記載
佐伯風土(静岡県舞台芸術センター制作部/ON-PAM会員)
尾形麻悠子(静岡県舞台芸術センター制作部)
※連絡先は会員向けメールに記載
※本委員会に関して、SPACへの直接のお問い合わせはご遠慮ください。
横山義志(SPAC-静岡県舞台芸術センター文芸部/ON-PAM理事)
ON-PAM 2015年度第1回企画委員会
「これからの公共劇場で、私たちは本当のところ何を作りたいのか?」
SPAC-静岡県舞台芸術センターで行われる第1回企画委員会では、ナチス時代に国立劇場の芸術監督となった俳優の軌跡を描く『メフィストと呼ばれた男』(ふじのくに⇄せかい演劇祭開幕作品)を出発点として、今日の日本における公共劇場での創作が抱えている課題について、考えていきたいと思います。
ここ二十年ほどで、日本における舞台芸術作品の創作状況はまさに劇的な変貌を遂げています。創作における公立劇場の重要性が飛躍的に高まり、さらに「鳥の劇場」のように、NPO法人として公益性を掲げて活動する劇場も出現してきました。「公共性を掲げる非営利の劇場」も広義の「公共劇場」に含めるとすれば、今、日本における先鋭的な創作のかなりの部分が、これらの「公共劇場」のなかで行われているといえるでしょう。そして予算面でも、公共の資金が大きな役割を果たすようになってきています。
この状況はアーティストによる創作活動を社会へと開いていくための重要な契機ともなっています。そして制作者にとっては、作品の意義を「社会的」に説明するためのスキルが必要不可欠なものとなってきました。
一方で、公共体との関わりが密接になっていくなかで、その意図を忖度せざるを得ない状況も生じてきます。『メフィストと呼ばれた男』で描かれている状況は、その極端な例といえるでしょう。主人公クルトは、かつて反ナチス運動に参加してたにも関わらず、その名声を利用しようとするナチス政権からの提案を受諾し、「内側からの抵抗」を試みます。しかし結果的には、ナチス体制の維持に加担したようにも見えます。
これからの20年では、日本における公共劇場が、真にその役割を果たしてるのかが問われていくでしょう。でも、その「本当の役割」はどこにあるのでしょうか? その答えは、きっと、この「公共劇場」と呼ばれるものを欲し、作り上げてきた、私たち自身のなかにあるはずです。私たちはどんな作品を作るために公共劇場を作り、そしてこれからの公共劇場で、私たちは何を作りたいのでしょうか? この問いを念頭に置きながら、それを実現するための方法を探っていきたいと思います。