ON-PAM | 特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク

2017年度の委員会活動の方針と開催日程のお知らせ

2017年度の委員会活動について、その方針と現段階での日程等をお知らせします。これまで4年間のON-PAMの流れを踏まえて、今年度は、ON-PAMの中で会員が互いの声を聞く機会を増やしていきたいと考えています。また、第2回(6月)、第3回(12月)の委員会は、1泊2日程度で様々なトピックについて議論するような構成にしていく予定です。


ON-PAM 2017年度委員会活動について(委員会室長 野村政之 2017.4.1)

これまでの委員会活動の整理
2013-14年度は「文化政策委員会/国際交流委員会/地域協働委員会」の3委員会制を取り、それぞれの意味合いでの舞台芸術の創造環境および現在に至る経緯/どのようにして形成されてきたかについて理解を深め、議論の前提・基盤となる情報の共有に重心を置いて行いました。2015-16年度は、継続的に1つのテーマを追う「テーマ委員会」と、東京以外の場所でその場所に関わるトピックを取り上げる「企画委員会」の2本柱で行いました。この活動を通して「政策提言調査室」が立ち上がり、具体的な行動を意識しながら提言に向けて継続的に議論する流れが生まれ、現在までMLとミーティングの両面で動きが続けられています。

2月の総会で示された通り、2017年度のON-PAMでは委員会を一本化して3回行うとともに、政策提言調査室、国際会議室(アジア会議)については継続した活動を行うことになります。3回予定されている委員会のうち、2回の委員会は1泊2日程度の合宿形式を取り、概観的なトピック、継続的な議論、リサーチ、会員提案企画等、1回の委員会の中で複数の内容を取り上げることとします。(政策提言調査室の継続的な議論について、委員会活動の中で会員と共有する機会も委員会活動の中に組み込んでいく)

以上を考慮して、今年度は、継続とアクションを念頭においた「活動の再設計」を主軸として、以下3つの点に重点をおきながら委員会活動を行っていくこととしたいと思います。
これは、冒頭に書いたように「拡散(2013,14)→集中(2015,16)」と歩んできた4年間の活動を引き継ぎつつ、これまでの活動状況を振り返り、一旦バラしたところから、会員が有機的に連携するON-PAMならではの活動・運動の形を組み換えて新たなスタートを切る年として、今年度の委員会活動を位置づけるということでもあります。今年は一旦再度「拡散」することになるのかもしれませんが、既定の論点に縛られすぎることなく、“個々の会員が声を出す”ことを通してON-PAMの活動にダイナミズムと多面性を生み、来年度以降にどうまとめていくかを考えていければよいと思っています。

2017年度委員会活動の3方針
①課題の再整理
多様な背景を持つON-PAMの全ての会員が、具体的な行動を意識した上で連携できる課題を1つに定めるのはなかなか難しいということが、これまでの活動から見出されています。一方で、何らかの行動を前提した時にネットワークの意義が実感できるというのが実際のところでもあります。今年度の委員会活動は、まず、「会員が互いの声を受け止める」ところから始めたいと思います。会員それぞれが抱えている多様な課題をすくい上げて会員間で可視化し、そのことを通して舞台芸術の創造環境が置かれている状況を再度概観してみたい。これを4月の委員会、および年間活動を通じて随時、会員提案企画等の形も含めて行っていきたいと思います。

これと並行する形で、提起された課題を整理して委員会活動で取り上げ、同様の課題を抱えている会員の連携、具体的な解決に向けた行動の可能性を検討していきます。その際、同様の課題を解決したことがある会員、または、同様の事例を知っている会員などが助言を与えることにより、議論が発展し行動のあり方が精査されていくことになると思います。委員会活動で取り上げられた個別的な課題に対して、ON-PAM全体がどのように関わってくるのかは、課題の性質によるだろうと予想しています。何より、現在課題として認識されていなかったことが課題として発見され、その発見が委員会活動の一つの意義になることを期待しています。そうして取り上げられた課題について、ON-PAMを離れてなんらかのワーキンググループを結成して行動に移すことも選択肢に入れて議論することにより、議論の内容やON-PAMの役割、活動の有機的なあり方も変わってくるのかもしれません。

②課題ドライブ型の議論形態
昨年度来の政策提言調査室における議論のように、論点が先行することによって、MLでの議論であっても/MLでの議論であるからこそ、議論の意味が深まるということもあるようです。そこで今年度は、誰と誰が集まって議論をするのか、いつ議論をするのか、すべての課題についてリアル空間に集まった人たちで議論を深めなければならないのか、といったことについて、新たな形態を試みてみたいと思います。

言い換えれば、あるトピックについて、議論に参加したい会員や参加する必要性の高い会員が、特定のリアルな時空間に縛られずに議論を重ね、状況に応じて具体的な行動にも移っていけるような議論のコースを模索する、ということかと思います。委員会活動を一種の“課題のインキュベーター(孵卵器)”として捉えて、議論を育てていけないか。課題がドライブするような形の議論~行動のパスがどう引けるのか。ということです。
その意味で、3回予定されている委員会の中で、インターネットとリアルの空間をどう設計するかも含めて、試行も行っていきたいと思います。

①の項目との関係でいえば、仮に、具体的な行動に向けた道筋やメンバーがある程度明確になったワーキンググループが生まれた場合には、そのグループが主導して他の会員の協力を受けながら議論を発展させていく。委員会活動から生み出された議論、視点が委員会の外/ネットワークの中に暖簾分けしていくようなイメージをもって、議論とアクションのダイナミズムをつくっていけたらと思っています。

③議論と連携した記録と報告
委員会活動から生まれた論点の継続、また、枝分かれしたワーキンググループの活動の共有のための記録と発表の形、議論、報告と連携したアーカイブについて検討していきたいと思います。
この数年の活動の中で、例えばAPPキャンプやアジア会議のように、一部の会員のみが参加可能/アクセス可能な活動を通して、これらの活動をON-PAM内外の共有の成果とするために、採録や報告の形で言葉として残すことの重要性が実感されてきました。
一方で、これまでの委員会活動では、「速報性」と「記録としての精度」の兼ね合いから報告が遅れることも多く見られました。こうしたことを意識しながら、ON-PAM REPORTとしての取りまとめ方も考慮して、記録と報告のあり方を見据えて委員会活動を構成していきたいと思います。

今年度は以上3方針に沿って進め、ここからどのような動きが生まれてくるのかを見てみたいと思います。どのような課題が発見され、どのような行動が生まれてくるのか。ひとまず今年度で何かがまとまることよりも、いくつもの課題や行動案が“発芽する”ことをゴールとして取り組んでいくこととしたいと思います。

日程・開催地
第2回委員会(キックオフ・ミーティング)
日程:4月 22日(土)午後1時〜4時(予定)
会場:東京と京都で開催。その他に集まれる地域があればオンラインで接続することも検討。
・内容:「ON-PAMで検討したい課題」「会員と共有したい課題」を棚卸し的に参加者間で語り合います。
※第1回ミーティングは、非会員参加可とします。
※東京では前夜(21日夜)に懇親会を開催する予定です。

第2回委員会
候補日程:6月22日(木)〜24日(土)のうち2日間/1泊2日 ※宿泊等は基本各自手配
会場:東京
内容:複数の議題、論点について扱う予定(APPキャンプ@メルボルン報告、シンガポール会議関連の議論、政策提言に関する議題、都内のインディペンデントな劇場/スペースのリサーチ、第一回委員会で見出された論点、などが入ってくると思います)

第3回委員会
候補日程:12月上旬に1泊2日
会場:未定(候補地:那覇)
内容:複数の議題、論点について扱う予定です。