ON-PAM | 特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク

新型コロナウィルス感染拡大にあたって、舞台芸術制作者オープンネットワークとして取り組むこと

*2020年5月1日 連携団体を追記しました。

ON-PAM会員および舞台芸術制作者の皆さま

新型コロナウィルス感染拡大にあたって、舞台芸術制作者オープンネットワーク(以下ON-PAM)として取り組むこと

2020年4月27日
特定非営利活動法人 舞台芸術制作者オープンネットワーク
理事長 塚口麻里子

新型コロナウイルス感染拡大の影響について、ON-PAMでは、2020年1月31日に理事の野村政之さんからの提起を受け、メーリングリスト上で情報交換を始め、Facebookグループでの情報共有、オンラインを中心としたミーティングを開催してきました。その中で見えてきたのは、仕事を失っただけでなく、アーティストやスタッフ、公演を支えている様々な人の補償のために行動し、「コロナ後」の舞台芸術を見据えた取り組みも始めている制作者の姿でした。緊急事態宣言から2週間経った現状と会員の皆さまの声を受けて、2020年度の事業計画を見直し、ON-PAMとして取り組むことを4月17日に実施した理事会で検討いたしましたので、ここにお知らせします。

ON-PAMでは設立時から「舞台芸術が多様な価値観の発露として社会に活力と創造性をもたらすという認識のもとに、同時代の舞台芸術の社会的役割の定義と認知普及、文化政策などへの提案・提言」(定款第3条より抜粋)を行ってきました。新型コロナウィルス感染拡大防止のために国・自治体から様々な対策が出されていますが、舞台芸術の仕事をしている人にとって必ずしも十分な支援ではなく、これまで以上に創造環境の特徴、制作者の職能について、社会的認知を高める必要性を感じています。そして「コロナ後」の時代に向けて、舞台芸術制作者同士が連帯していくために、ON-PAMでは以下のことに取り組んでいきます。

  1. 「コロナ後」の舞台芸術とそれを取り巻く環境について検討します

    ON-PAM会員の地域的、職能的多様性を活かし、「コロナ後」の舞台芸術とそれを取り巻く環境について検討します。4月21日の政策提言調査室ミーティングで、会員有志によるワーキンググループが立ち上がり①公演等キャンセル時の対応 ②公演再開に向けたガイドラインの作成を目指し動き出しています。

  2. 海外とのネットワークを活かし議論の場を広げます

    ON-PAMでは設立時より海外の舞台芸術制作者やネットワーク組織と連携し国際交流事業を実施してきました。2020年は、開催を延期していた「春の委員会」をオンラインに切り替え、新型コロナウィルスによる舞台芸術への影響と対策について、海外の参加者を交えたキーノートセッションを実施します。

  3. 文化、芸術分野の関連団体と連携します

    政策提言、実態調査アンケート、各種手続きの情報共有など、関連団体ほか個人の活動やフリーランスの制作者とも連携をするため、理事や政策提言調査室のメンバーを通じて各団体や関係者と話を始めています。芸術分野への支援についてケイスリー株式会社の落合千華さんが中心となって進めているArts United Fund (AUF)  設立に向けての連携や、日本演出者協会・日本劇作家協会・日本劇団協議会(劇団協)による要望書への賛同など、理事のネットワークを通じて行なっています。また、政策提言調査室のワーキンググループでは、アーツカウンシル や公共ホール、国際フェスティバルやプラットフォームでの実績のある経験者や劇団、民間劇場の制作者などが参画し、各メンバーからアシテジ(国際児童青少年舞台芸術協会)日本センター、NPO法人Explat、劇場、音楽堂等連絡協議会(劇音協)、国際演劇協会日本センター(ITI)、小劇場ネットワーク、全国公立文化施設協会(公文協)、全国専門人形劇団協議会(全人協)、日本芸能実演家団体協議会(芸団協)、日本児童・青少年演劇劇団協同組合(児演協)等との連携を進めています。

  4. 制作者が孤立しないようにつながる場を作ります

    コロナ禍においても、公演のキャンセル、延期に伴う業務や補償のための手続きに追われ、自身の生活のことは後回しになっている制作者も多くいるでしょう。ON-PAMでは孤立しがちな制作者同士がジャンルや利害を越えて集まることができる機会、一人では解決できない課題や問題を投げかけられる場を作ります。これまで、新型コロナウィルスに関する談話会(会員提案企画)、意見投稿フォームの開設、週1回のオンライン飲み会を開催してきました。このような場を通じて、先行事例を共有したり、共通課題を持つ人と連携しワーキンググループを立ち上げたりすることができます。

  5. 制作者の業務と専門性、新型コロナウィルスの感染拡大による損失など現場の実情を発信します

    舞台芸術にかかる多くの支援には演出家や出演者、舞台スタッフ等が挙げられていますが、制作者についての記載がないこともあります。制作者が負っている被害の実情を補償や制度に反映させるためには、行政や文化政策に関わる機関へ繰り返し伝えることが必要です。ON-PAMでは、公演に関する仕事だけでなく、公演前の企画業務、ツアーやアーカイブといった公演後の業務、舞台芸術とそれを取り巻く環境のリサーチや、国内外の同業者とのネットワーキングなど制作者の幅広い仕事と、「コロナ後」の文化、芸術の復興の担い手である制作者の専門性について、文化政策を担う国や自治体へ伝えていきたいと考えています。
    そのためには、現場の最前線で働く皆さまからの声が必要です。新型コロナウィルスの影響による損害や、改善すべき課題、将来に向けた提案など、皆さまのご意見を以下のフォームからお寄せください。
    そして、委員会や政策提言調査室、会員提案企画など、ON-PAMの活動へのより一層のご参画、ご協力をお願いいたします。

    ON-PAMでは舞台芸術制作者の皆さんの声を集めています
    以下のフォームよりご意見をお寄せください。
    https://forms.gle/Yvs4tsF2J4ozJTCt9