【レポート】5/27 ON-PAM第1回企画委員会

ON-PAM第一回企画委員会 APPキャンプ日本開催準備企画「アジアでのネットワークを作りたい!→誰に聞く?どこに行く?資金は?」

日程:5月27日(金)

会場:森下スタジオ・Sスタジオ

 

2016年6月26日(日)から7月2日(土)にかけて、ON-PAMが主催する「Asian Producers’ Platform Camp(通称:APPキャンプ)」が東京と静岡で開催されます。その機運を盛り上げていくべく、東京の森下スタジオで5月27日にON-PAM企画委員会が開かれました。

APPキャンプとは韓国・台湾・オーストラリア・日本を中心に、アジアから約30人の舞台芸術制作者が集まり、アジアのネットワークの今後についてリサーチやディスカッションを行う国際的なイベントです。3回目を迎える今年は、初の日本での開催となります(2014年は韓国、2015年は台湾で開催)。

企画委員会のタイトルはずばり、「APPキャンプ日本開催準備企画・アジアでのネットワークを作りたい!→誰に聞く?どこに行く?資金は?」。オーストラリア、台湾の在日文化機関、そして国際交流基金アジアセンターの方々をお招きし、各地域との舞台芸術交流の具体的な方法についてお話を伺いました。

今回の企画委員会はON-PAM会員だけでなく、どなたでも参加でき、Ustream中継もありましたので、まずはON-PAM理事の齋藤啓さん(鳥の劇場制作)よりON-PAMについての紹介がありました。続いて初年度(韓国開催)からAPPキャンプにかかわっている西山葉子さん(国際交流基金)が、APPキャンプが生まれた経緯や、どういった参加者がいるか等を解説されました。また、同じく韓国開催からAPPキャンプに参加されている植村純子さん(劇団衛星プロデューサー/アートコミュニティスペースKAIKA運営)が、実体験をもとに成果を報告してくださいました。

APPキャンプは参加メンバーとの交流、協働だけでなく、開催地のさまざまな舞台芸術関係者(制作者、プロデューサー、アーティストなど)と出会う機会もあります。今回の日本開催においてもAPPキャンプ参加メンバーだけでなく、ON-PAM会員そしてON-PAM会員以外の方々にも、その機会は開かれています。ご興味を持たれた方はぜひ参加してください。※ON-PAMへの入会案内はこちら(http://onpam.net/?page_id=1888)。

 

・ON-PAM会員向けプログラム

6月27日(月)14時~17時 「ON-PAMセッション」※逐次通訳あり

登壇:

丸岡ひろみ(国際舞台芸術センター[PARC]/ON-PAM副理事長)

相馬千秋(NPO法人芸術公社/ON-PAM理事)、他

 

・オープンプログラム(どなたでもご参加いただけます/USTREAM中継あり)

6月28日(火)

10時-12時 レクチャー「アジアにおける日本の文化政策を知る」*逐次通訳あり

会場:あうるすぽっと会議室B

講師:平田オリザ

12時-13時30分 ランチ交流会 会場:あうるすぽっとホワイエ

14時-17時 ディスカッション 会場:あうるすぽっと会議室B

「アジア舞台芸術におけるキャリア形成・労働環境について」*逐次通訳あり

 

・ON-PAM会員向けプログラム

7月1日(金)14時~19時 「APPキャンプグループワーク発表」※通訳なし

※レクチャー、ディスカッション参加費:無料 / ランチ交流会参加費:1,000円

 

在日文化機関の方々からお話をいただく前に、参加者全員の自己紹介タイムが設けられました。オーストラリア大使館のご厚意によりオーストラリア産のワインをご提供いただいており、初対面同士の方も多かったのですが、お酒の力も手伝って打ち解けたムードの和やかな時間となりました。

自己紹介の後、徳仁美さん(オーストラリア大使館広報文化部)よりオーストラリアのパフォーミングアーツ、そして助成金などについて詳しくお話しいただきました。

オーストラリアの面積は日本の20倍ぐらいだけれど、人口は日本の6分の1。1901年の連邦成立以来、多くの移民が来て、今では4人に1人が海外生まれと言われています。公用語は英語ですが色んな言語が話されており、オーストラリアのパフォーミングアーツは多民族国家を反映した多様性があるそうです。また、州ごとにメジャーなフェスティバルがあるのも大きな特色で、たとえばアデレード・フェスティバルは障がい者や低収入の観客など、色んな人が芸術を享受できるようにアクセス方法に工夫を凝らしていいます。

徳さんは在京オーストラリア大使館広報文化部に在籍し、豪日交流基金の東京事務局でもお仕事をされています。豪日交流基金には文化関連の助成金もあり、日豪両方から助成金申請が可能。オーストラリアを海外に紹介するにあたり、外務貿易省が2018年の“フォーカス・カントリー”を日本に決めたこともあり、2017年、2018年は日本関係のものに助成金が出やすいのではないかとのことでした。

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターの郭俞廷さんからは、2015年に虎ノ門にできた同センターのスペースでの活動内容(展示、講座、公演などのイベント開催)、台湾の助成金とフェスティバルについての解説の後、国家両廳院(30年以上前から台北にある台湾で最も大きな劇場施設)、台中国家歌劇院(伊藤豊雄デザインの新しいオペラハウス)、高雄市にできる衛武営国家芸術文化センターという国営の大きな施設について詳しくご紹介いただきました。国家両廳院は大中小の4つの劇場を備えており、今年9月オープン予定の台中国家歌劇院もまた同規模です。衛武営の芸術文化センターは来年秋オープンの予定ですので、出来上がった立派なハコをどうやって運営していくのかが重要な課題であり、日本からアプローチする余地が大いにありそうでした。助成金については種類や金額、申請の“裏技”も教えてくださり、お得な情報満載のプレゼンテーションでした。

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最後に、国際交流基金アジアセンターの助成を受けて、アジア・フェローとしてインドネシアで調査を行ってきた斎藤努さんの報告がありました。まず国際交流基金アジアセンターの稲田充弘さんから同センターの使命と「アジア・フェローシップ・プログラム」についてご説明いただき、斎藤さんがインドネシアで会ってきたアーティストや観た舞台についてご紹介くださいました。研究テーマは「インドネシアにおけるシェイクスピア作品の調査・研究」で、滞在期間は2015年4月13日から5月31日の45日間。インドネシアは面積が日本の約5倍あり、「短期滞在だったので本当にごく一部のことしか知らない」とのことでしたが、「インドネシアではフリーの制作者は珍しく、日本の演劇界の10~20年前の状況に近い」といった貴重な情報をいただきました。

斎藤さんは過去にエディンバラ・フェスティバルやシビウ国際演劇祭などへの参加経験がある制作者で、今はシンガポールのオン・ケンセンさんが演出する日本、シンガポール、インドネシアの国際共同製作『三代目、りちゃぁど』の公演にも携わられています。人とのつながりが新たな人との出会いを生み、それがネットワークになっていくという、実体験からたどり着いた結論に納得でした。

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登壇者の方々のお話が終わった後はディスカッションをする予定でしたが、時間がなくなったため、隣のスペースに移動して懇親会を始めることになりました。キッチンスペースのある快適空間で(森下スタジオ様、ありがとうございます!)、ヘルシーな料理の数々とオーストラリアの美味しいワインとともに親交を深めました。ON-PAM会員ではない方がいらしていたので、私自身も新しい出会いに刺激を受けました。初参加でON-PAM会員ではない舞台美術家志望の若い男性が、維新派の制作者と話をされているのを見て、ちょっと感動しました。自ら行動を起こせば手が届くのがON-PAMの強みであり魅力だと思います。個人的にはオーストラリア大使館の徳仁美さんとオーストラリア戯曲の話ができてとても幸運でした。

高野しのぶ

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プレスリリース

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