シンポジウム&オープン・フォーラム 「芸術活動への公的支援と表現の自由について考える」

2020.1.31

昨年起こった「あいちトリエンナーレ」をめぐる文化庁補助金の不交付、また海外の事例も考察しながら、芸術活動への公的支援のあり方について考えます。

日時:2020年2月13日(木)10:00-12:00(第1部)/13:30-15:30(第2部)
会場:Kosha33 ホール(神奈川県横浜市中区日本大通33番地) アクセス
参加方法:500円(TPAM登録者、ON-PAM会員無料)

プログラム:
10:00-12:00
第1部 シンポジウム : 芸術活動への公的支援と表現の自由について考える〜「あいちトリエンナーレ」への文化庁補助金不交付問題から

ON-PAMでは、昨年の「あいちトリエンナーレ」への文化庁による補助金不交付の決定に対し、抗議文を発表し、賛同者の署名を文化庁に提出しました。その報告を交えつつ、このようなアクションの一方で、芸術活動への公的支援のあり方を、法律、制度、政策の面から継続的に考えることも必要と考え、その一環として本シンポジウムを開催します。

登壇者: 志田陽子、作田知樹、相馬千秋、塚口麻里子
司会:齋藤啓


13:30-15:30
第2部 オープン・フォーラム:芸術活動への公的支援と表現の自由について考える~ 国際プラットフォーム=TPAMの参加者と共に

公的支援と表現の自由について、国内外からTPAMに集まった会場の皆様と情報や意見を交換をすることで、第一部で明らかになった日本の状況を相対化しつつ国境を超えたアーツ・マネージャーの協働の可能性を探ることを目的としたオープン・フォーラムを実施します。まずは政治的経済的状況が著しく変化している香港・台湾からそれぞれゲスト招いてお話を伺います。

登壇者: ロウ・キーホン、キャシー・ホン 他
モデレーター:丸岡ひろみ


登壇者
第一部

志田陽子
武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術法)、博士(法学)。 「表現の自由」、文化的衝突をめぐる憲法問題を研究課題としている。また、映画、音楽、美術など、文化から憲法を考えることをライフワークに講演活動を行っている。主著 『「表現の自由」の明日へ』(大月書店、2018年)、『合格水準 教職のための憲法』(法律文化社、2017年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局、2015年)、『あたらしい表現活動と法』(武蔵野美術大学出版局、2018年)、『映画で学ぶ憲法』(編著)(法律文化社、2014年)。


作田知樹
文化政策(文化行政)研究者・実務家。Arts and Lawファウンダー。行政書士(東京都行政書士会)。京都精華大学非常勤講師。東京藝術大学美術学部卒業、東京大学大学院文化資源学修士課程修了。研究者としては文化行政における表現規制を専門とし、実務家としては国際交流基金等で事業企画や助成実務に携わる。著書『クリエイターのためのアートマネジメント常識と法律』等。

(c)Yurika Kawano

相馬千秋
実行委員長兼ディレクター、シアターコモンズ’20。舞台芸術や現代美術、社会関与型アートのプロデュース、キュレーションを国内外で多数手がけている。2014年にNPO法人芸術公社を設立。2017年に「シアターコモンズ」を創設、実行委員長兼ディレクターとして、演劇的発想を実社会に応用する実験を展開している。これまで「あいちトリエンナーレ2019」キュレーター、「フェスティバル/トーキョー」初代ディレクター(F/T09-F/T13)、「急な坂スタジオ」初代ディレクター(2006-10)等を歴任。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。2016年より立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授。舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事。

塚口麻里子
舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事長兼事務局長。2006〜17年PARC – 国際舞台芸術交流センターにてTPAM in Yokohamaプログラム・オフィサーとして国際プラットフォーム事業に携わる。ON-PAMの設立に参加し、2013年より常務理事兼事務局長として従事。2019年4月より現職。2009年文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてエジンバラ、ロンドンに滞在。

齋藤啓(司会)
東京生まれ。2006年、鳥取で鳥の劇場の立ち上げに参加。劇団公演から劇場運営、「鳥の演劇祭」、国際交流事業まで幅広い制作業務を担当。2017年よりフリーの制作者として活動。2018年3月から約11ヶ月、文化庁新進芸術家海外研修制度でスコットランドに滞在。2020年1月よりロームシアター京都に勤務。舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事。


第二部

ロウ・キーホン
香港の西九文化区で演劇部門を統括。同区のシアター・アーツに関する芸術的方向性を策定する責任を持ち、香港初の国際演劇ワークショップ・フェスティバル、セノグラフィの新たな方向性に関する3年間のプログラム、ドラマトゥルギーに関する3年間のプログラム、スコットランド、ニュージーランド、オーストラリアとの国際的レジデンシープログラム、マンチェスター国際フェスティバルやGRECフェスティバル・バルセロナとの共同委嘱、粵劇の要素を取り入れた西九文化区初のオリジナル広東語ミュージカルの委嘱などを実現している。

キャシー・ホン
現在、台湾のアーツ・マネージャーの協会であるPerforming Arts Network Development Association(PANDA)で理事長、およびクラウド・ゲイト・ダンスシアターとボーカル・アジア・フェスティバルの顧問を務める。演劇と国際コラボレーションの分野で豊富な経験を持つアーツ・マネージャー。インディペンデントのプロデューサー、マーケティングのプロフェッショナルとして、現代演劇、ダンス、児童演劇、伝統/現代音楽の分野でアート作品と関わる。2015年にOISTAT – International Organization of Scenographers, Theatre Architects and Techniciansのエグゼクティブ・ディレクター、2019年に高雄芸術センター(衛武営)でマーケティング・コミュニケーションディレクターを退任。

(c)Hideto Maezawa

丸岡ひろみ(モデレーター)
PARC – 国際舞台芸術交流センター 理事長。TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 ディレクター。舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM) 副理事長。2003年、ポストメインストリーム・パフォーミング・アーツ・フェスティバル(PPAF)を創設、PME-ART、フォースド・エンタテインメント、メゾンダールボネマ、ホテル・モダンなどを日本に紹介する。TPAMと併設してIETMアジア・サテライト・ミーティング(2008、2011年)、アジアの制作者を集めた「舞台芸術制作者ネットワーク会議」(2009年)を開催。2012年にはフェスティバル「サウンド・ライブ・トーキョー」を創設。

主催:舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)
提携:国際舞台芸術ミーティング in 横浜2020実行委員会