KYOTO EXPERIMENT x ON-PAM 公開シンポジウム開始のお知らせ
2018.9.28
KYOTO EXPERIMENT x 舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)公開シンポジウム
「アート業界で働く人のライフプラン 〜雇用・育児・ワークライフバランス〜」
少子高齢化が進む社会において、国の政策としても「働き方改革」や「女性活躍推進」に向けた環境整備を急速に進めている一方、育児や介護といった家庭の課題は女性が担わなくてはいけないという性別役割分業の考え方は根深く、最近では東京医科大学の入試における女子学生への減点問題が注目されました。舞台芸術で働く環境に着目すると、平日夜や土日祝日の勤務、人員不足のため一人の人に負荷がかかり休みが取りづらい状況、雇用の不安定、低収入などの理由により、公共劇場のスタッフへ「10年後も今の仕事を続けられるか」という問いに約46%の人が「続けられると思わない」と回答しているデータ(*1)があります。
その背景には慢性的な資金不足や、公共劇場における指定管理者制度、民間団体では助成金頼りの脆弱な経営体制などの課題があるため、働きやすい環境整備まで取り組めていない実情もあると予想されます。しかし、今後人手不足の解消や優秀な人材を確保するためにも、舞台芸術業界における働く環境の整備は急務であり、舞台芸術を取り巻く社会課題に向き合ううえでも、同業界で働く専門職の意識改革に取り組むべきではないでしょうか。
本シンポジウムでは、舞台芸術に限らず多分野で創造的な働き方を提案・実践する専門家をお招きして、アート業界で働きながら、クリエイティブなライフプランを描ける方法を考えていく機会とします。
*1 )参考:公益社団法人日本芸能実演家団体協議会「公共劇場スタッフの働き方改革に向けて〜実演家、舞台・劇場スタッフの就労環境改善に関する調査研究〜」(2017)
日時:2018年10月20日(土)12:30-16:00
第1部 12:30-14:00 両立をあきらめない − ワークライフバランスの先進事例
第2部 14:30-16:00 今までのやり方をみなおす ― 多様な働き方を実現するためにできること
会場:ロームシアター京都(京都市左京区岡崎最勝寺町13)会議室1
総合司会:橋本裕介(ロームシアター京都/KYOTO EXPERIMENTプログラム・ディレクター、舞台芸術制作者オープンネットワーク 理事長)
第1部
登壇者:
北村 智子(一般財団法人おおさか創造千島財団 常務理事)
高 亜希(認定NPO法人ノーベル 代表理事)
中尾 友彰(りゅーとぴあ 事業企画部 音楽企画課)
モデレーター:塚口 麻里子(舞台芸術制作者オープンネットワーク 事務局長)
第2部
登壇者:
亀石 倫子(法律事務所エクラうめだ 代表弁護士)
綿江 彰禅(一般社団法人芸術と創造 代表理事)
モデレーター:原 智治(京都市文化財保護課管理係長)
入場料:500円(ON-PAM会員無料)
要事前予約:こちらのフォームからお申し込みください。
登壇者プロフィール
<総合司会>
橋本裕介
ロームシアター京都/KYOTO EXPERIMENT プログラムディレクター、舞台芸術制作者オープンネットワーク 理事長
1976年、福岡生まれ。京都大学在学中の1997年より演劇活動を開始、2003年橋本制作事務所を設立後、京都芸術センター事業「演劇計画」など、現代演劇、コンテンポラリーダンスの企画・制作を手がける。2010年よりKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭を企画、プログラムディレクターを務める。2013年2月より舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事長。2014年1月よりロームシアター京都勤務、プログラムディレクター。
<第1部 登壇者>
北村 智子
一般財団法人おおさか創造千島財団 常務理事。神奈川県出身。東京芸術大学大学院応用音楽学専攻修了後、2002~08年企業メセナ協議会に勤務。2009年千島土地(株)入社、地域創生・社会貢献事業部にて「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」「アヒルプロジェクト」などアートによる地域活性化、「一般財団法人おおさか創造千島財団」の設立・運営等を担当。
高 亜希
認定NPO法人ノーベル 代表理事。2003年関西学院大学卒業後、株式会社JTB・株式会社リクルートHRマーケティングに勤務。先輩や同僚から、子育てと仕事の両立の難しさ、病児保育問題を知る。NPO法人フローレンスで修業後、ノーベルを立ち上げ、2010年2月から関西初となる共済型病児保育事業を開始。子どもを産んでも当たり前に働き続けられる社会を目指し、ひとり親向け支援や行政との協働も積極的に取り組んでいる。過去9年間で2,000人以上が登録し、9,000件以上の保育実績に。
中尾 友彰
りゅーとぴあ 事業企画部 音楽企画課。1977年生まれ。横浜市出身。音大卒業後、1999年4月から2001年3月まで(公財)長岡市芸術文化振興財団事業課職員として勤務。2001年4月から(公財)新潟市芸術文化振興財団に勤務し、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館事業企画部音楽企画課職員として、音楽公演の企画制作及び「新潟市ジュニア合唱団」等の青少年育成事業を手がける。現在、5歳の娘と2歳の息子の父。長女が産まれた際に、約半年間の育児休暇を取得。
<第1部 モデレーター>
塚口麻里子
舞台芸術制作者オープンネットワーク 事務局長。大学卒業後メーカー勤務を経て、2002年ポイント東京株式会社に入社。演劇、ダンス作品の制作アシスタントとして働く。2006年〜17年PARC – 国際舞台芸術交流センターにてTPAM in Yokohamaプログラム・オフィサーとして国際プラットフォーム事業に携わる。2009年文化庁新進芸術家海外研修制度アートマネジメント分野研修員(派遣先:エジンバラ、ロンドン)。
<第2部 登壇者>
亀石 倫子
法律事務所エクラうめだ 代表弁護士。東京女子大学卒業後、通信会社勤務、大阪市立大学法科大学院を経て2009年に弁護士登録。刑事事件専門の法律事務所に入所し、6年間に担当した刑事事件は200件以上にのぼる。『クラブ風営法違反事件』や『GPS違法捜査事件』など著名な刑事事件を担当。2016年に独立して「法律事務所エクラうめだ」を開設。エクラはフランス語で「輝き」。女性弁護士ならではの視点ときめ細かさを活かし、離婚や男女トラブルも数多く手掛ける。
綿江 彰禅
一般社団法人芸術と創造 代表理事。2006年より(株)野村総合研究所にて行政・民間企業を対象にコンサルティングを行い、2016年に独立。政府や地方自治体を対象とした文化政策・産業政策及び文化団体の運営に関するコンサルティングを行っている。担当事業は、文化庁「劇場、音楽堂等の特徴的な取組に関する調査」、「「アートプロボノ」の普及に向けた調査検証事業」、「専門人材による文化団体における社会貢献活動調査」、「社会課題の解決に貢献する文化芸術活動の事例に関する調査研究」等多数。
http://www.pac.asia/watae.html
<第2部モデレーター>
原 智治
1980年京都市生まれ。京都市文化財保護課管理係長。
京都大学工学部電気電子工学科卒業。メーカー勤務を経て、2007年京都市入庁。
2009年から文化芸術企画課に所属し、京都文化芸術都市創生計画の改定、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭、「アジア回廊 現代美術展」等を担当。2017年12月から現職。京都精華大学で「アートマネジメント論」も担当している。
主催:KYOTO EXPERIMENT、特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク