APPはアジアの舞台芸術プロデューサーによるネットワークで、
2014年から毎年、ソウル(韓国)、台北・宜蘭(台湾)、
東京・静岡(日本)、メルボルン(オーストラリア)、
ジャカルタ・ジョグジャカルタ(インドネシア)で、
一週間程度の「キャンプ」を行ってきた。
各地の舞台芸術の状況をリサーチしながら、
舞台芸術の制作者同士が個人としての信頼関係を築いていく企画。
個人のネットワークを重視した背景には、
アジアでは組織よりも個々人の活動の方が継続性がある、
という認識がある。始まった頃には、
まだこのようにアジアのプロデューサーたちが一度に出会う機会は
あまりなかったが、この5年ほどで、状況は一変した。
アジア域内の交流が目に見えて増えている。もちろんAPPだけの
成果ではないが、APPの役割も大きかったと思う。午後に香港到着。同時に空港に着いた日本・
台湾のメンバーたちと一緒に会場のイートン・ホテルに向かう。
街はすごく静か。香港をよく知る人によれば、
普段に比べて人通りがかなり少ないという。
香港のプロデューサー、イアン・レオンから「
こんな時に香港に来てくれてありがとう。
とても勇気づけられます」と挨拶。受け入れ側の香港・マカオ・
広州のプロデューサーたち、とりわけマカオのエリック・クオン(
写真)は日々変わる状況のなかで、参加者の安全を最優先に、
非常にフレキシブルに対応してくれた。
イートン・ホテルはオーナーがアーティストで、ギャラリーや映画上映施設もあり、キャンプ開催に協力してくれている。
今回は9ヶ国から46人が参加。日本からは奥田安奈、竹宮華美、目澤芙裕子、新田幸生、横山義志、吉田雄一郎の6人が参加している。
APPは長期にわたって信頼関係を築くため、4年間の継続参加を原則としている。今回は初めて、はじめの4年間のメンバー(「オールドメンバー」)と昨年からのメンバー(「ニューメンバー」)が本格的に合流することに。