ON-PAM アジア会議 in シンガポール 5日目 レポオート
2017.9.18
2017年9月7日(木)
この日の午前中は自由時間だったが、何人かのメンバーでEsplanade-Theatres on the Bayを訪れる。国によって建てられた巨大なアーツセンターで、年間に約3,000公演が行われているという。劇場のロビーからは、有名なマーライオンも見えた。
https://www.esplanade.com/
午後は、シンガポールの劇団を二つ訪問。
まずは、今回の主会場となっているCentre42の隣の隣にあるThe Theatre Practice(実践劇場)。シンガポールの劇作家・演出家の故クオ・パオクン(郭宝崑)が設立した劇団の拠点で、教育を核に据えて創作活動やワークショップ、アウトリーチなどを行っている。現在の芸術監督をはじめ、女性のスタッフが圧倒的に多いのも印象的だった。
http://www.practice.org.sg/en/
続いて、インド人街の中にあるW!LD RICEの事務所・稽古場へ。2000年から活動している劇団で、オリジナル作品から古典戯曲、ミュージカルまで幅広いレパートリー作品を持つ。シンガポールだけでなく、世界各地での上演実績がある。日本ではまだ公演したことはないが、座付き作家と日本人演出家のコラボレーションが進行中。また、市内に新たに建設される商業施設の中に自前の劇場をオープンする予定だという。
http://www.wildrice.com.sg/
夜は、シンガポール国際芸術祭(SIFA)上演作品『トロイアの女』を観劇。初日に基調講演をしてもらったSIFA芸術館オン・ケンセンさんが演出した、韓国国立劇場との共同制作作品。終演後、何人かの参加者はそのまま空港に直行し、帰国。全プログラムが終了した。今回の会議で感じた成果をいくつか上げてみる。
・様々な場面でシンガポールのアーティストや制作者と話す機会があり、公演を観るだけではわからない舞台芸術の状況を垣間見ることができた。
・オープンプログラムなどを通して、各国からの参加者やシンガポールの関係者に日本の舞台芸術の多様性に触れてもらうことができた。また、ON-PAMの今後のネットワークのあり方、特に国際的な展開について意見交換をすることができた。
・会議の参加者間での交流が活発に行われたこと。日本からの参加者同士(ON-PAM会員、会員でない参加者)、あるいは東南アジア地域からの参加者同士など、多方向での交流がみられた。
より詳しい報告は、10月22日(日)に京都で開催するシンポジウムの際に行う予定。