緊急事態宣言発令下における第二次・第三次補正予算に関する緊急要望書

2021.1.15

「緊急事態宣言発令下における第二次・第三次補正予算に関する緊急要望書」提出いたしました。

1月7日、1月13日発出された緊急事態宣言を受けて以下の通り「緊急事態宣言発令下における第二次・第三次補正予算に関する緊急要望書」を提出いたしました。


2021年1月14日

文部科学大臣 萩生田 光一 殿
文化庁長官 宮田亮平 殿

特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク
理事長 塚口麻里子

緊急事態宣言発令下における第二次・第三次補正予算に関する緊急要望書

2020年12月15日に発表された第三次補正予算(案)では、文化芸術関係団体等による積極的な活動支援および文化施設の環境整備に係る経費への支援等に370億円という第二次補正予算に続く大規模な事業が提案されました。本事業は、新型コロナウイルス感染予防対策に取り組みながら活動を継続している芸術団体にとって大きな支援となることが期待されています。

一方で、文化芸術活動は、2021年1月7日に発出された緊急事態宣言により、集客を伴うイベントに対して人数および収容率の制限と、終演時間に対しての協力要請を受けました。公演を予定していた団体は、感染予防を最優先に考え、継続か中止・延期の検討に入り、関係各所との折衝に奔走している状況です。

それに伴い、同宣言発令前に計画された第二次補正予算および第三次補正予算(案)も見直されるべきであり、現在進行形で対応の最前線に立つ舞台芸術制作者によって構成されているネットワーク組織として、以下緊急要望申し上げます。

一、「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業 ARTS for the future! 」の要件緩和を要望します。

 第三次補正予算(案)のうち「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業 ARTS for the future! 」の対象となる取組は、
(1)   公演・演奏会・コンサート・ライブ、展覧会等を開催すること
と示されていますが、緊急事態宣言発令下においては、上記取組に対して人数および収容率をはじめとした制限と終演時間等の協力要請を受けている状況です。緊急事態宣言の対象は1月13日時点で11都府県に発令され、各自治体でも感染状況に応じた方針の発表や今後の対応について検討されているという報道が出ています。また、緊急事態宣言は2月7日までとされていますが、今後の状況の見通しが不確定のなか、すでに計画されている2021年度事業について、現時点で実施の検討を迫られている状況です。

従って、主催者にとっては上記イベントの実施は物理的、心理的ハードルも高く、本事業のために無理な計画を立てることによる感染拡大の不安や、キャンセル等による経済的な破綻など懸念されます。

ついては、公演・演奏会・コンサート・ライブ、展覧会に限らない事業、例えば他業種で扱われている技術や海外の事例等の調査事業新技術の研究開発やそれを用いた創作実験、異なるジャンルの人が参加するワークショップの開催、最新の動向を学び議論するシンポジウム・講演会・勉強会の開催など、感染状況が落ち着いた際に作品を発表するための、創作プロセスへの支援が必要です。

また、公演等実施期間を2021年12月までではなく、将来的(2022年度以降)に不特定多数に公開することによって収入を上げることを前提とするよう要件の見直しも提案します。

プロセスへの支援が実現することで、規制や協力要請を受けた際のリスクヘッジ、また新しい表現方法への挑戦も可能になると予想します。

一、第二次補正予算「文化芸術活動の継続支援事業」(新規募集)の事業実施期間延長を要望します。

2020年12月11日締め切られた「文化芸術活動の継続支援事業」(新規募集)では、期間延長などの要件見直しによって多くの文化芸術関係者がより積極的な活動として申請することができました。しかし、追加申請の事業実施期間は令和2年11月1日〜令和3年2月28日となっており、1月、2月に公演等の実施を盛り込んだ申請をして困惑しているという声も届いています。

緊急事態宣言下において協力要請へ対応し、再度事業を計画するためには準備期間が必要です。緊急事態宣言を受けて影響を受ける個人・団体が活動を継続でき、また要請に応じて計画を変更できるようにするために、事業実施期間を最低半年から1年延長をするよう要望します。

 感染症対策をしながら活動を継続するために、文化芸術に携わる人が一人でもその仕事を諦めてしまわぬよう、「コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業 ARTS for the future! 」の要件緩和と「文化庁継続支援事業」(新規募集)の事業実施期間の延長を求めます。

以上


PDFはこちらです ON-PAM要望書