政策提言調査室によるステートメント
2018.1.7
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2017年は理事の任期を更新する年となるため、前年度よりもスリム化した理事体制でスタートし、ON-PAMの活動がいくつか展開し、次のステージの扉を開けた一年であったともいえます。2月のシンポジウムでは、海外のネットワーク組織のケーススタディとしてEDN(European Dancehouse Network)の紹介とアジアのダンスプラットフォーム創設の計画について話がされ、示唆に富んだ取り組みやチャレンジの紹介を通じて、ネットワークという中間支援組織の役割の重要性に改めて気づかせてくれる機会でした。
また三島憲一先生による「(改めて)公共性とは何か?〜公共圏の創造を目指して」と題したレクチャーでは、「公共」が持つ幅広いイメージを「Official (公的、官製)」「Public(公共)」「Private(私的)」という図式で明確にしたうえで、アートの領域における「公共性」について展開していただきました。10月に京都で実施したシンポジウム「表現の自由を巡って2」では、2013年に行った議論から4年が経ち、舞台芸術における「表現の自由」をどのようにして守っていくのか、アジア、ヨーロッパからゲストスピーカーを招き、ON-PAMの構成主体である舞台芸術制作者の視点からディスカッションを行いました。
そして、4月、6月、12月に開催された主事業である「委員会」は、会員とのオープンディスカッション(4月・東京)、新しくできた民間のアートスペースで実施された3日間のトークとディスカッション(6月・東京、横浜)、そして先日行われた沖縄での「小劇場ネットワーク会議」と併設した談話会(12月・沖縄)を実施しました。国際交流室では、総会直後にメルボルン(オーストラリア)で開催されたアジア・プロデューサーズ・プラットフォーム・キャンプへの共催・参加、第2回ON-PAMアジア会議 in シンガポールを9月に開催しました。
そして、昨年度から本格的に始動した政策提言調査室では、「政策提言ガイドライン」を作成、仮運用を開始し、第一弾として「政策提言調査室によるステートメント」を提案し承認されました。同時期に、今年6月に国会で「文化芸術基本法」が改訂されたことに伴う「文化芸術推進基本計画(第一期)」が文化庁文化政策部会にて審議されており、急遽ON-PAMとしての提言をまとめる作業に取りかかりました。少人数ですが密度の濃い議論を重ね、11月には第15期文化政策部会(第6回)でON-PAMとして意見発表をする機会を持つことができました。
ここまでで挙げたのは主な事業ですが、その他にも会員提案企画や、政策提言調査室で実施しているキャラバンというインタビューなど各会員の方が展開しているいくつかの企画があります。以下、10月に「政策提言ガイドライン」に則り議決された第一号記名提言「政策提言調査室によるステートメント」を掲載いたします。2018年もON-PAMの活動にご関心お寄せくださいますようお願い申し上げます。
2018年1月7日 ON-PAM事務局
記名提言-1 「政策提言調査室によるステートメント」