シンポジウム「創造の生態系」開催のお知らせ
2019.2.1
2月15日(金)TPAM 国際舞台芸術ミーティング in 横浜にてON-PAMシンポジウムを開催いたします。
「創造の生態系」と題した本シンポジウム。アーティスト、ドラマトゥルク、プロデューサー/制作者の視点からネットワークやコレクティブ、国際コラボレーションなど創造環境に関する実践と未来について話し合います。舞台芸術に携わる皆さまにぜひご参加いただきたいプログラム。皆さまのご来場お待ちしております。
創造の生態系
—どう組織するのか?
—なぜ国際コラボレーションなのか?
日時:2月15日(金) 第一部 10:00-12:00/第二部 13:00-15:00
会場:Kosha33(神奈川県住宅供給公社)横浜市中区日本大通33
参加費:500円(ON-PAM会員、TPAM参加登録者 無料)
2020年東京オリンピック、2025年大阪万博を筆頭に、日本の各地でビッグイベントが開催されようとするなか、舞台芸術はどこを目指して進んでいるのだろうか? オリンピックを間近に控えたいま、どんな実践がわたしたちの未来に向けたロールモデルとなり得るのか? 近年盛んに行われるアジアの国際コラボレーションと、日本における民間組織の新たな動向に注目し、「劇団」や「劇場」という既存のフレームを超えた創造の実践から未来に必要な創造環境について考えていく。
第1部:創造的な連携のための、ゆっくりでゆるいオーガナイズ
10:00 – 12:00
舞台芸術に関わる様々な立場の女性たちが集う亜女会(アジア女性舞台芸術会議実行委員会)と、国内の民間小劇場運営者を中心に2017年末に活動を始めた全国小劇場ネットワーク。両団体は、多様な会員それぞれがもつ意思や、個々に異なる活動環境を意識し、それらを創造的連携の源泉とするための独特なオーガナイズを行っている。多様な参加者が関わる民間の中間団体の可能性と、その潜在力を殺さない運営、その摩擦やジレンマについて対話を深めながら、創造的な連携のあり方について考える。
スピーカー:
羊屋白玉(亜女会設立メンバー/指輪ホテル 芸術監督/劇作家、演出家、俳優)
野村政之(全国小劇場ネットワーク発起人/演劇制作者/ドラマトゥルク)
第2部:なぜ国際コラボレーションなのか?
13:00 – 15:00
アジアにおいて国際的な創作チームで舞台作品の創造を実践する演出家、劇作家、ドラマツルグ、プロデューサーを招き、それぞれの立場からの報告を通じて多角的に成果と課題を見出す。翻訳や歴史理解の壁、演劇的手法や創作哲学の違いを越えるには、どのようなプロセスが必要なのか、異なる背景をもつもの同士が協働を通じて創作の必然性をどのように発見できるのか。または私たちは過去の実践から何を学び、なにを未来に引き継げるのか、国際コラボレーションの意義を追求する。
スピーカー:
アルフィアン・サート(劇団ワイルドライス 所属劇作家)
ショーン・チュア(ドラマトゥルク/研究者)
多田淳之介(演出家/東京デスロック 主宰)
中村茜(パフォーミングアーツ・プロデューサー/(株)precog 代表取締役・ディレクター)
羊屋白玉
「指輪ホテル」芸術監督。演出家、劇作家、俳優。2001年ニューヨーク同時多発テロのさなか、ニューヨークと東京をブロードバンドで繋いだ同時上演以降、北米、ヨーロッパ、南米などでのツアーが続く。国内では、2013年より、札幌国際芸術祭や瀬戸内国際芸術祭など、都市や自然の中で、その土地の人たちと恊働し、サイトスペシフィックな作品を手がけており、人や物や街など、あらゆる現象の看取りや喪失、目に見えない境界などに関するネガティブなテーマの取り組みを演劇を通して生成している。同年、アジアと女性と舞台芸術の通奏低音を担うべく亜女会を設立。2006年、ニューズウイーク日本誌において「世界が認めた日本女性100人」の一人に選ばれ、表紙を飾った。2016年トヨタコレオグラフィーアワードゲスト審査員。AAF戯曲賞審査員。女子美術大学講師。
野村政之
演劇制作者、ドラマトゥルク。沖縄アーツカウンシルのプログラムオフィサーとして那覇市の小劇場・アトリエ銘苅ベースの開設、全国小劇場ネットワーク会議の始動に携わる。現在、長野県文化振興コーディネーター、舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事。劇団青年団・こまばアゴラ劇場在籍。
アルフィアン・サート
ワイルド・ライス座付き作家。2001年ナショナル・アーツカウンシル若手作家文学賞受賞。ライフ・シアターアワード最優秀新作戯曲賞計10回ノミネート。2005年『ランドマーク』、2010年『ナディラ』、2014年『君の姉さんの旦那』、2016年『ホテル』で同賞受賞。2011年『ノラの秘密の生活』でマレーシアボーキャメロニアン最優秀小説歌詞賞、2013年『負傷』で同最優秀新作戯曲賞受賞。戯曲はシンガポール、クアラルンプール、東京、ストックホルム、コペンハーゲン、メルボルン、ベルリンで上演。
ショーン・チュア
体系的アーカイブ、不気味な人間性、参加型の戯曲の枠組みを特徴とする探求を行う。アジアン・ドラマトゥルク・ネットワーク、サブステーション、ステイト・オブ・モーション、国際舞台芸術学会(PSi)にて作品を発表。 2012年、ナショナル・アーツカウンシルの奨学金を受け、ニューヨーク大学ティッシュ芸術学部舞台芸術学の修士号を取得。ラ・サール芸術大学で教鞭をとる。国際舞台芸術学会(PSi)諮問機関に所属。Bras Basah Openの創設メンバーであり、soft/WALL/studsの運営メンバー。
©Toru Hiraiwa
多田淳之介
1976年生まれ。演出家。東京デスロック主宰。富士見市民文化会館キラリふじみ芸術監督。古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品まで幅広く手がけ、韓国、東南アジアとの共同製作も多い。2014年韓国の第50回東亜演劇賞にて演出賞を外国人として初受賞。東京芸術祭APAFアジア舞台芸術人材育成部門ディレクター。
中村茜
2000年代初頭より実験的なパフォーマンス作品のプロデュースを多く手がける。海外公演の実績は30カ国70都市以上に及び国際舞台芸術シーンの架け橋として活躍。スペクタクル・イン・ザ・ファーム那須(2009-2010)共同ディレクター、国東半島芸術祭(2012〜2014)パフォーマンスプログラム・ディレクター、Jejak-Tabi Exchange2018共同キュレーターなどを歴任。2016年アジアン・カルチュラル・カウンシル・フェローとしてバンコクに滞在。