APPキャンプ in 香港・マカオ・広州 レポート 1日目

2019.11.24


APP@香港・マカオ・広州キャンプ2019日記
2019年11月17日
APP(アジア・プロデューサーズ・プラットフォーム)キャンプ2019が今日から始まった。今回は香港・マカオ・広州での開催。APPはアジアの舞台芸術プロデューサーによるネットワークで、2014年から毎年、ソウル(韓国)、台北・宜蘭(台湾)、東京・静岡(日本)、メルボルン(オーストラリア)、ジャカルタ・ジョグジャカルタ(インドネシア)で、一週間程度の「キャンプ」を行ってきた。各地の舞台芸術の状況をリサーチしながら、舞台芸術の制作者同士が個人としての信頼関係を築いていく企画。個人のネットワークを重視した背景には、アジアでは組織よりも個々人の活動の方が継続性がある、という認識がある。
始まった頃には、まだこのようにアジアのプロデューサーたちが一度に出会う機会はあまりなかったが、この5年ほどで、状況は一変した。アジア域内の交流が目に見えて増えている。もちろんAPPだけの成果ではないが、APPの役割も大きかったと思う。午後に香港到着。同時に空港に着いた日本・台湾のメンバーたちと一緒に会場のイートン・ホテルに向かう。街はすごく静か。香港をよく知る人によれば、普段に比べて人通りがかなり少ないという。香港のプロデューサー、イアン・レオンから「こんな時に香港に来てくれてありがとう。とても勇気づけられます」と挨拶。受け入れ側の香港・マカオ・広州のプロデューサーたち、とりわけマカオのエリック・クオン(写真)は日々変わる状況のなかで、参加者の安全を最優先に、非常にフレキシブルに対応してくれた。

イートン・ホテルはオーナーがアーティストで、ギャラリーや映画上映施設もあり、キャンプ開催に協力してくれている。今回は9ヶ国から46人が参加。日本からは奥田安奈、竹宮華美、目澤芙裕子、新田幸生、横山義志、吉田雄一郎の6人が参加している。APPは長期にわたって信頼関係を築くため、4年間の継続参加を原則としている。今回は初めて、はじめの4年間のメンバー(「オールドメンバー」)と昨年からのメンバー(「ニューメンバー」)が本格的に合流することに。今夜は「オールドメンバー」の自己紹介。気がつくと、責任ある地位についている人が少なくない。自分も含め、始まった時にはたどたどしい英語だった人たちも、5年を経て、だいぶコミュニケーションが取れるようになっていた。

執筆:横山義志